8 April 2011 -- Asahi Shinbun
タイ・カンボジア国境問題、協議は進展せず
タイとカンボジアの国境未画定地域問題の解決策を探る合同国境委員会(JBC)が8日、東南アジア諸国連合(ASEAN)の議長国インドネシアの西ジャワ州ボゴールで開かれ、2日間の日程を終えて閉会した。インドネシアは同席せず、関係両国が「今後も話し合う準備がある」と合意した以外はほとんど進展もなく、溝は埋まらなかった。
一時は開催さえ危ぶまれたJBCは、タイ側が外務省顧問のアサダー・シャイナーム氏、カンボジア側はワー・キムホン国境問題担当上級相が共同議長として出席した。カンボジアからはホー・ナムホン副首相兼外相もボゴール入りしたが、政府高官級によるJBCには参加せず、インドネシアのマルティ外相と別室で会談した。
JBCは2000年に設立され、2国間だけで行われてきた。だが、今回は「関係国以外は見て見ぬふりをしてきた過去と一線を画し、解決へ向けて主体的に貢献できると示す」(マルティ外相)というインドネシアの強い意向で、ASEANによる取り組みとして開かれた。2015年の共同体発足へ向け、ASEANの体質を変えなければという危機感がある。
JBC関係者によると、両軍の衝突が激化した2月に開かれたASEAN緊急外相会合で合意した「問題の国境地域へのインドネシアの監視団派遣」については今回、議題に上らず、外相級の協議に委ねることになったという。
紛争になっているのは、カンボジア北部の世界遺産プレアビヒア寺院に接する地域。(ボゴール=郷富佐子)

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